復活祭

今が好き♪

1998.8.1

1年を365日とすると、地球の公転時間はそれより4分の1日弱よけいにかかります。このずれを補正するのがご承知のように4年に1度1年を1日のばす閏年です。この補正のおかげで春分の日は3月21日、秋分の日は9月23日が多いのですが、それでも1、2日前後する年があります。このように日付のずれる祝日を移動祝日と呼びます。「母の日」(5月第2日曜日)、「感謝祭」(11月第4木曜日)など曜日を特定したものがほとんどです。

さて復活祭ですが、キリストの死後の復活を祝ったキリスト教国最大の祭日で、英語でイースター。この日から50日間は特に復活節と呼び、なかでも復活祭当日を徹夜で祝う国もあって、たいていは翌日も休日(イースターマンデー)となります。キリスト復活前後の日付を順に記しますと、最後の晩餐(木曜日)、死・受難の日(聖金曜日)、安息日(土曜日)、復活の日(日曜日、イースター)、復活祭翌日(月曜日)と続き,更に復活から40日目が昇天祭、50日目聖霊降臨祭、聖霊降臨祭翌日(月曜日)となり多くが休日です。

実はこの復活祭が春分の日から起算される移動祝日で、「春分の日以後の満月過ぎの最初の日曜日」と言うややこしい方法で決められます。太陽と月の運行、それに曜日を重ねて決めますから複雑です。年によっては1ヶ月も動くことになり、上に揚げた関連祝日もこれに合わせて全部シフトしてしまいます。

今年の春分の日は3月21日で、太陽の春分点通過時刻は午前4時55分でしたが、これは日本での話。欧州では時差の関係でこの時刻は前日の夜ですから春分の日は3月20日になります。同じように、この日以後の満月の日は、日本4月12日(日曜日、正満月時刻:午前7時23分)、欧州4月11日(土曜日)と一日ずれました。従って欧米では満月の翌日が最初の日曜日にあたり、4月12日が今年の復活祭でした。一方、日本では満月と日曜日が同じ日になってしまいました。復活祭の決め方の細則には「春分の日と満月の重複は可、満月と日曜日の重複は不可」とありますから、日本では次の日曜日、4月19日が復活祭と言う計算です。実際、満月の日が日本と同じ12日となったギリシャでは19日が復活祭となりました。オーストラリアのように自国の暦を無視し、宗主国イギリスに合わせて12日をイースターにした国もありますから、世界各地・各教会でまちまちだったようです。

いずれにせよ、今年、キリストは2週にわたって復活の日を祝ってもらったわけです。来年は世界同日、4月4日がイースターと言うことです。