標準部品

今が好き♪

2001.1.28

どこの家庭にも自転車があると思います。永く使っていると、切れたブレーキワイヤの取り替え、ほころびたサドルの交換など、メインテナンスが必要になってきます。ホームセンターとかDIY店に行くと、こういった部品が豊富にそろっていて、自転車店に行くまでもなく自分で修理ができます。実際、自転車の場合はすべての構成要素・部品がメーカーを問わず交換可能で、数台の壊れた自転車から状態の良い部分をとりはずして、一台の実用車を組み立てるということが簡単に出来ます。これほど世界規模で標準化の進んでいる工業製品はほかにありません。

もともと自転車は家内制手工業といった小規模生産で始まり、早くから部品製造と組み立てで、メーカーの分業化が進んでいました。この二極分化のまま、業態は現在にいたっていると言ってよいでしょう。分業の成否は標準化の成否にほかなりません。標準化が進んだおかげで、自転車業界には下請けの関係、大メーカーの系列体制など他の製造業界では一般的な業態が生まれませんでした。それぞれが対等の立場にあり、独自の製品を生み出しています

ブリジストン、パナソニックなど大手メーカーはフレームを自社生産するのみの組み立てメーカーで、車輪、ペダル、サドル、ハンドル、ブレーキ、ギア、変速機などは輸入も含めて外部調達が主流です。わが国にはこれら部品の優秀なメーカーがそろっていて、特に高級車向け部品に関しては、ロードレサー(高速スポーツ車)大国イタリア・フランス、MTB(マウンテンバイク)大国アメリカへも多数輸出しております。

あまり知られていませんが、釣具で有名な「シマノ」は、自転車部品御三家といわれた、イタリヤのカンパニョーロ・コルナゴ・デローザといった老舗メーカーをしのぐ世界的なパーツメーカーとしても活躍しています。特にペダル・ギヤ・ハブ(車輪の軸)・変速機・ブレーキの5点セット部品はシマノの独壇場で、プロ・アマを問わず愛好されています。プロショップに行くとフレームも含めて、これら部品のすべてが選択でき、数十万円のカスタムカーをオーダーすることもできます。ママチャリなどとよばれるお使い自転車ではなく、シマノインサイドのスポーツ車も是非お試しください。