都営交通と京王電鉄

柿崎 純一郎

2011.8.31

今年は「都営交通と京王電鉄」の開業100周年とのことでこの夏から記念展が開かれています。「都営交通100周年記念特別展」が9月10日まで両国駅の江戸東京博物館で、「京王線100年と調布」展が京王多摩川駅の調布市郷土博物館で10月10日まで開催中。まだ両方とも間に合います。

昔はどちらにもお世話になりました。昭和17年江東区で生まれ育ち、昭和43年に東芝青梅工場が出来て多摩地区へ転勤するまでの交通手段はもっぱら都電で、最寄り電停は29系統終点の葛西橋でした。当時の29番は葛西橋~錦糸町あるいは須田町間を運行。小中学時代はこの都電で錦糸町の江東楽天地へ、境川電停で38番に乗換えて日本橋などへ遊びに行きました。当初、子供片道5円と記憶しています。高校は錦糸町の錦糸掘車庫前の一つ先、江東橋下車で停留所正面の両国高校に通学。電通大へも同じ都電で錦糸町のひとつ前の亀戸駅前下車、ここから国電で新宿まで出て、京王線で調布まで全行程ほぼ2時間、京王線は毎朝超満員でした。今ではすっかり開けて味の素スタジアムやゲゲゲの女房でも有名になりましたが、都内からはるばる来たと言う感じで4年間通いました

今でもイーテックの役員会や産学連携の打ち合わせなどで大学に行く機会がありますが、足はほとんど車で京王線には不義理をしています。在学中は学生寮にも入り浸り、留守部屋に寝泊まりして、深大寺や植物園、東京天文台など調布周辺の地理には明るい方ですが、先日時間が空き、郷土資料館のたぐいがあるはずとカーナビをセットして寄ることに。住宅街の狭い道をさがして、ようやく到着。お寺の境内といった風情の中、郷土博物館がたたずみ、3台ほどの駐車スペースもあって一安心、もちろん入場無料。正面入り口に映画全盛時代の背丈より大きい映写機が堂々の自己主張、調布は大映・日活の撮影所もあって映画の街でもあったのです。知らずにきたのですが、奥の部屋で「京王線100年と調布」展開催中。歴代車両模型・制服や役務用具、往時の写真や絵図の展示、調布駅地下化・工事中の立体交差概要のパネルなどなかなかの内容。2階の土器・石器・古文書・民芸品も見学して市の文化や歴史も勉強しました。

一方、都営100年の方はまだ行かずじまい。都バスや亀戸乗換えで浅草や上野に行けたトロリーバスもなじみでした。会期中に出かけて、機会があれば報告したいと思っています。