般若心経

柿崎 純一郎

2004.5.1

 

仏教の万能お経「般若波羅蜜多心経」のことである。大乗仏教の経典で、日本では浄土 真宗を除いて多くの宗派が利用している。最もポピュラーなお経なのでだれでも耳にした ことがあるだろう。色即是空空即是色…しきそくぜーくうくうそくぜーしき、とか羯諦羯 諦波羅羯諦…ぎゃーていぎゃーていはーらーぎゃーてい、とか聞こえるあれである。暗記 と言えばいろは48文字か九九、よくいっても百人一首の数句。だいたいは歌謡曲の歌詞 程度しか暗記していないのなら、暗記の訓練にこのお経はちょうど良い。本文は漢字26 7文字。経本は仏具屋で、解説付きなら書店で手に入る。録音テープかCD付の本もおす すめだ。
 私の場合は例の断食中に平行してこれを読経し暗記させられた。結局、3日間の断食期間 中には覚えきれず、その後1週間ほどかかってしまったが、イントネーションや息継ぎに ついては和尚先生の後を追って覚えたので、自己流にはなっていないと思う。低い声で腹 から声を出して荘厳に、というのが発声のポイントだ。

 

数年前のTBSテレビに「しあわせ家族計画」という番組があった。お父さんが一週間 でいろいろな課題に挑戦してうまくいけば家族に300万円のプレゼントができるという ものだ。お父さんたちは一輪車、けんだま、お手玉など一週間でマスターしようとするが ほとんどだめ。一方、四国八十八個所の寺名とか円周率πを百桁まで順に言うなど、暗記 ものはほとんど合格で300万円をせしめている。つまりからだより頭のほうが覚えが早 いということである。たしかこのお経も課題となって、挑戦者はめでたく合格したはず。 仏事では般若心経の利用価値は多いし、日常でも、お経を唱えることで、ストレスが解 消され安定剤代わりになる。完全に覚えてしまえば、何も考えずに経文が出てくるように なり、夜中に目覚めて眠れなくなってしまった時などは頭の中で数回(1回2分間程度) 唱えるうちに自然と寝てしまえる。ただし、考えながら唱えているうちは逆効果になるか らやめよう。  
  はまってしまったら写経という楽しみもある。精神修養のつもりで是非挑戦あれ!