つわものどもの夢の後

中野 章

1998.7.31

この度事務所を移転するために什器備品や書籍、書類を整理した。整理にあたって残すもの、破棄するものの取捨選択をしたわけであるが、これがなかなか難しい。

 野口由紀雄先生(東大生産技研教授)のベストセラー「超整理法」によると一年以上手にしなかった書類は思い切って整理すべきだそうである。
 それを念頭に整理にかかったわけであるが、なるほど「なんでこんな書類をいままで残していたの?」と言った類が大半であった。

「然しである。その昔、といっても、たかだか6~7年前のアプリケーションプログラム・リストと回路図の類はソフト屋やハード屋の開発のそのときどきの情景と汗の結晶であったことに思いを馳せる時、今後絶対に必要でないこと分かっていても、スンナリと捨てるにしのびない気がした。
 しかし心を鬼にして捨てることにした。

 そこで一句。松尾芭蕉の「夏草やつわものどもが夢の跡」をもじって「古リストつわものどもが夢の跡」