授業料ストライキ--メキシコの街角にて--

中野 章

1999.8.1

 

壁画で有名なメキシコ国立自治大学(UNAM)なる中南米随一の総合大学がある。広大なキャンパスはまさに一都市を形成するほどで学生数30万人と言われている。この大学が今大揺れに揺れている。ストライキの真っ最中である。
 6月末の時点で2ヶ月以上を経過したが、解決の目途は立っていないようである。事の発端は授業料の値上げで学生がこれにいっせいに反発し、ストライキに突入した。大学当局提案の値上げ幅は一挙に数百倍になるという。

 

だがこの数百倍に驚いては行けない。現行の授業料はなんと半期1ペソ=¥13円以下である由。願書の紙代にもならない金額である。もっとも経済余力のある学生は半期400ペソ=¥6000円程度を納入する事になっているようだ。だが多数の学生が最低授業料納付者である。
 メキシコは借金大国でもあり、国際通貨基金(IMF)には頭が上がらない。今回の授業料値上げは、このIMFの強い勧奨によるものであるだけに政府、大学当局も頭をかかえている。
 7月末時点で解決したのかどうか不肖にて知らない。