アジア企業家村に電通大留学生OBが活躍

中野 章

2006.2.15

川崎市臨海部に「アジア企業家村」がある。ここでは元日本鋼管の研究所の建物 を利用し、川崎市とNPO「アジア企業家村推進機構」がアジア出身のベンチャ ー企業家にオフィスを提供・企業支援をしている。

この村の第一号入居者がベトナム出身の電通大OBである。

グエン・ミン・ドウック(H10E)とホー・フィ・クーン(H12E)の両君で彼等の起こ したソフトウエア開発会社「ヴィテックメイト」は携帯電話やディジタルカメラ 向けのソフトを開発している。

私はたまたまパイオニアベンチャーグループというベンチャー支援を目的とする グループの月例会でホー・フイ・クーン君の話を聞いたことがある。

事業内容の説明の後、出席者の一人から「日本で起業するに当たって一番困るこ とは?」との質問が出された。ホー・フイ・クーン君の答えは、「滞在ビザの延 長手続きの煩雑さ」と「顧客の信用を得ること、具体的には口座をなかなか開い てくれない」というようなことであったと記憶する。

今や中国からベトナムに工場移転する動きがあるという。またシリコンバレーで もベトナム出身者が大活躍しているのも周知のことである。

ベトナムは日本のIT産業に携わる人達にとって重要な国になると思う。 日本電産やキャノンが大規模の生産拠点を設ける投資をしつつある。

ともあれ自分たちの技術を梃子に日本とベトナム を結びつける、所謂ブリッジ ・エンジニアリングを目指すという。頑張って欲しい。