高湯温泉

とまりぎ

2006.12.5

第14回「日本温泉クラブの集い」は、福島市の高湯温泉が開催地で、翌日はその周辺の視察と観光である。"とまりぎ"仲間4名で参加した。福島駅で3時半に送迎バスが出るが、はやめに出かけ、駅から比較的に近い岩谷観音と古関裕而記念館を見学した。大宮駅で集まり新幹線で11時に福島駅に着く。駅構内で季節の舞茸そばで早めの昼食を済ませた。駅から北へ3キロほどの信夫山丘陵中腹に岩谷観音がある。東側の岸壁には磨崖仏が60余対刻まれているという。思っていたより小ぶりであった。鎌倉時代に彫られたとのことだが風化が進んでいるもののなかなかのものだ。青い空のもと紅葉と市街を眺めながらのんびりと過ごす、ほかに訪れる人もいない。岩谷観音からは15分ほど歩いて古関裕而記念館に着く。故古関裕而さんは市内有数の呉服屋の長男として生まれながら作曲の道に進み紫綬褒章、勲三等瑞宝章を受賞、名誉市民になっていることを知った。その膨大な数の作曲に驚く、懐かしい連続ラジオ放送劇や映画の主題歌、軍歌、校歌、スポーツ応援歌などなど。試聴やビデオコーナーでふんだんに聴ける。足跡紹介、再現書斎、愛用品、記念品などが展示されているほかサロンでくつろげる。癒されたひとときであった。

高湯温泉は福島駅から西方14キロほどの吾妻山麓に位置する。自噴源泉が10ヶ所ほどあるとのこと。バスを降りると硫黄の臭いが鼻につく。宿はその名も旅館玉子湯である。大浴場と内湯、外湯に露天が2つ、さらに足湯とある。さっそく露天に入る。湯は白濁で源泉かけ流し、泉質は酸性の硫黄泉、効能はリウマチ、皮膚病、神経痛、胃腸病、糖尿病・・・書ききれない。

源泉温は42℃~52℃。5時より主催者日本温泉協会の挨拶、地元歓迎挨拶のあと、自称愛浴家 山崎まゆみさんによる記念講演、演題は「混浴のすすめ」。温泉の原点は混浴との持論と実践。日本にとどまらず世界をめぐっての経験談を披露。若い女性による混浴のすすめとはなんともすがすがしい。年齢は不詳。続いて約40名による懇親会、例年のとおり和気藹々と楽しい時間であった。懇親会のあとひとやすみしてからまた温泉に。翌朝も含め婦人専用露天を除く全部を制覇。夜半より気になる雨。

朝から雨で予定の磐梯吾妻スカイラインと浄土平は中止となり誠に残念であった。3年連続の"2日目の雨"でジンクスかなどと言い出す参加者がいた。この地区の共同浴場"あったか湯"を視察。高湯温泉旅館共同組合の運営管理によるもので年間9万人の利用者があるそうだ。そのあと福島駅北方約9キロに位置する飯坂温泉街へ、明治をしのぶ共同浴場木造建築の鯖湖(さばこ)湯を雨のなか視察。つづいて南下して土湯温泉・山水荘に到着(福島駅から西南約14キロに位置する)。昼食までのあいだに温泉に入る。ここも硫黄泉であるが無色透明でさらっとしていた。土湯温泉は13種の泉質が自慢で、伝統こけし発祥の地としても有名とのこと。つぎに広々とした四季の里に。ガラスとこけし工房を見学。農園レストラン、農産物直売所、フラワーガーデン、広場、森林浴など終日すごせる。最後に福島市民家園を見学。ここは江戸時代中期から明治時代にかけての県北地方の民家を中心に会津地方の民家、芝居小屋、商人宿、料亭、板倉等を広い森林のなかに移築復元点在させてある。傘をさしながら案内をしていただいた。貴重な文化財である。
3時すぎ福島駅で解散した。

大宮駅は東口のおでんやでまた一杯。温泉三昧の二日間であった。