番外篇(箱根)

とまりぎ

2007.4.19

四月のはじめ、新宿7時発の高速バスに5人が乗り込んだ。昨日までの雨とはうって変わり快晴である。御殿場に近づくにつれ真っ白な富士山がくっきり眺められる。その姿は箱根乙女峠近くでますます大きくなる。集合場所の乙女口に9時に到着。小田原からの2人がバス停で待ち受けていた。7人がそろった。

バス停のすぐそばが登り口である。ごろごろした石の道を乙女峠に向かう。最初からきつい登りである。乙女峠では裾野を広げた雄大な富士山の姿が目に飛び込んできた。少し雲がかかっていた。富士山をバックに写真が撮れるようステージが設けられており、向いに撮影のための梯子台が備えられている。ちょうどバス停・乙女峠から上がってきた老女10名のパーティにシャッターを押してもらった。変わってそのパーティにシャッターを押す。富士山にかかっていた雲が広がりはじめ、出発のころにはだいぶ隠れてしまった。ときどき遠くでドドーンドーンと演習場の音が聞こえる。

長尾山をすぎ金時山(1212.5m)についた時にはすっかり曇ってしまい風も出てきた。金時山までの登りは右側に仙石原の町並みや駒ケ岳、神山などが一望でき、左側は富士山の姿と広い裾野を見ることができる申し分のない尾根道である。期待した富士山は見られず残念であったが名物金時娘にはお目にかかることができた。乙女峠から金時山への登りは石と岩が多い道である。記念写真を撮って明神ヶ岳に向かう。

 

金時山からの急坂を下りしばらくすると道は石や岩も少なく歩きやすくなった。両側には背丈より高い細い竹が密生しており風除けとなり助かったが眺めはなくなった。地図に箱根竹と出ていた。矢倉沢峠を少し過ぎたところに無人小屋があり、そばの三方が竹に囲まれたテーブルで昼食をとった。湯を沸かして淹れてもらったお茶とコーヒーの美味しかったこと。

火打石岳への登りで金時山方面を振り返ると乙女峠から金時山への稜線が一望できる。ここから見る金時山はけっこう尖っている。金時山の中腹から箱根竹が絨毯のごとく密生していて、下りてきた道が一本の線で描かれている。火打石岳は意識しないうちに通り過ぎてしまった。

明神ヶ岳(1169.1m)までの道は樹木が多くなる。明神ヶ岳の見える広々とした南斜面の道で小休止をとる。山頂は金時山と同じように溶岩でおおわれていて遮るものは何もない。遠くに丹沢山塊などの山々が、近くに小田原の町と海岸線が遠くまで見えた。金時山をバックに写真を撮る。

岩だらけの急坂を下り昭和天皇登山記念碑を過ぎ宮城野分岐に着く。まっすぐ進めば明星ヶ岳である。分岐を右にとりいよいよ最後の下りだ。途中から階段が続く単調な道で疲れを感じた。宮城野バス停からはタクシーで強羅の宿に向った。

このコースは箱根外輪山の一部で尾根道の両側の眺望がよく、山道は変化に富んでいる。四季おりおり楽しめそうである。