芦安温泉

とまりぎ

2011.05.23

いつもどおり高尾駅から鈍行にのって、ほろ酔い機嫌になったころ5人は甲府駅でおりた。途中の勝沼ぶどう郷駅のホームの桜もみじがことのほかきれいであった。バスで武田神社に降りたが紅葉には少し早かった。しかし七五三の家族連れでにぎわっていた。境内の裏手にまわりごくごく小さな公園で要害方面をながめながら、ちびちびやったあと駅まで一目散に歩き、芦安温泉行きのバスにすべりこんだ。

芦安温泉は鳳凰三山の登り口のひとつ夜叉神峠のふもとにある。この芦安地区は南アルプス市の山間部で3,000m級の山々がそびえる南アルプス国立公園に属し、平成15年4月に6町村の合併により南アルプス市となった。

終点の芦安温泉に着くと宿の車が待っていて、曲がりくねった急な坂道を一気にのぼり、あっけなく今日の宿"白雲荘"に着いた。12年前にはこの急坂を歩いて登り村営"南アルプス温泉ロッジ"に泊まったが、予想外に時間がかかり、宿に着くころには薄暗くなってしまった思い出がある。宿の前庭の紅葉は真っ盛り、まわりの山々もきれいに色づいていた。すこし休んでから温泉にゆっくり入った。アルカリ性単純泉で効能は疲労回復、神経痛、五十肩等。 盛り沢山の夕食で満足。

二日目はまずきのうの急な坂道とバス道を歩いて日帰り湯に入る計画だ。 宿を出発してすぐのところにある"南アルプス芦安山岳館"を見学した。ガラス張りのシャレたつくりで、自然や登山、暮らしなどの展示があった。特にキスリング(ザック)が展示されていて懐かしかった。山岳館の隣が広い空地で"南アルプス温泉ロッジ"があったところだ。紅葉を見ながら御勅使(みだい)川沿いにどんどん下る。

ぽこぽこと足が進んで市営の温泉施設"ヘルシーハウス山渓園"に着いた。開館時間には早すぎてどうするか決めかねていたが、縁側を掃除していた若い女性が大変親切で、うろうろしている老人達を可哀そうに思ったか、早く沸かしてくれることになった。おまけに大広間まで開放していただき大いに助かった。カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉(pH9.7の高アルカリ泉)効能は筋肉痛、関節痛、肩こり等。

ここからはバスにのって県立美術館に途中下車。街路樹の銀杏並木がきれいであった。前にも美術館に立ち寄ったが、今回は隣の県立文学館にも入った。樋口一葉や芥川竜之介、飯田蛇笏ほか山梨県出身、ゆかりの作家の直接原稿や書簡、書画、愛用品、著書などが展示されており、ゆっくり鑑賞したかったが時間もなくまことに残念であった。

ふたたびバスで甲府駅前に降り、B級グルメで人気の"甲府鳥もつ煮込み"を肴に乾杯したがキンカンが入っていなかったのはちょっと物足りなかった。 "ほうとう"の夕食を済ませ帰途についた。