御岳山

とまりぎ

2014.01.18

昨年6月下旬にとまりぎ仲間のひとり清水さんが急逝し、葬儀の日に集まった会社OB同期7名の間で追悼ハイキングが決まった。8月下旬、御岳山と御岳渓谷を歩いた。

梅線立川駅に集合、御嶽駅からバスとケーブルカー(御岳登山鉄道)を乗り継いで御岳山駅に降りた。駅の前は展望広場となっており下界の眺めが良いが、この日は曇りがちで、もやっていた。数軒の土産物屋さんの後ろが頂きになっていてその斜面に“レンゲショウマ”(※)が群生している。この夏は猛暑続きの影響か花の盛りは過ぎていた。思い思いに散策、観賞しふたたび展望広場の東屋に集まった。足首の捻挫が完治していない一人を残し、6人は武蔵御嶽神社に向かった。御岳ビジターセンター、宿坊、神代ケヤキと過ぎだんだん坂はきつくなる。土産物などの店が両側に並ぶ参道を過ぎ鳥居をくぐると階段の連続となる。けっこうきつい階段だ。登りきったところが神社で、参拝したあと記念の写真を撮って東屋に戻った。一時間ほどの往復であった。各自持参の弁当を済ます。

再びケーブルカー、バスに乗り御岳橋手前で降りる。多摩川べりに下りて玉堂美術館に入る。小ぶりであるが落ち着いた美術館で入場者も多かった。川合玉堂は日本画の巨匠と言われ、御岳渓谷をこよなく愛した関係でこの地に美術館ができた。自然風景画を主とした絵画を観賞した。派手な色遣いはなく心落ち着く絵の数々であった。そこから御岳小橋を渡る。橋からはカヌーやゴムボートを操る何艘もの姿を楽しんだ。救命胴衣をつけた犬が泳いでいたのにはびっくり。あいにく先日来の雨で流れは泥色に濁っていた。御岳渓谷遊歩道を一時間ほど下って楓橋のたもとにある清流ガーデン澤乃井園に到着、庭園の丸テーブルに席をとった。ここで当然“酒”と思っていたが“ビール”という声、清酒“澤乃井”なのだが、まあ蒸し暑いところを歩いてきたので仕方ない。沢井駅はすぐそこだが坂を上り青梅街道に出て、さらに小澤酒造の脇の道の急登は足が重かった。

立川で居酒屋に入り清水さんを偲びつつ酒を酌み交わした。 明るく話題豊富で人を逸らさない。登山、ハイキング、ジョギングを好んだ運動家。そして何よりも日本酒を愛し、糖尿を気にしつつも“こんなに飲んではいけない、いけない”といいながら飲む嬉しそうな顔が目に浮かぶ。 心よりご冥福を祈る。


※レンゲショウマ
 キンポウゲ科 多年草 茎は高さ40~80cmほどで上部に枝を分け、枝の先に淡紫色の美しい花をつける。御岳山では7月下旬から8月下旬が見頃。